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新型コロナウイルス感染症対策と当院におけるスタンダードプリコーション

(更新日:2023-01-07)

当院における新型コロナウイルス感染症対策の基本は、スタンダードプリコーションという感染対策です。私は20年以上前から歯科治療におけるユニバーサルプリコーション(以前はこのように呼ばれていました)の重要性を研究し学会報告を行ってきました(中部防衛衛生学会、中央防衛衛生学会等)。

 スタンダードプリコーション(standard precautions)とは、CDC(米国疾病管理予防センター)が提唱し推奨する、病院や介護施設などで、患者さんと医療従事者らを感染の危険から守るために取られる感染予防策のことです。標準予防策ともよばれます。患者さんの汗を除く分泌物(血液・体液)、排泄物、傷のある皮膚、粘膜などを感染の危険を有するものと見なして、その取扱いに注意します。スタンダードプリコーションは、感染症の有無を問わず、全ての患者さんを対象に、またどのような場合においても実施すべき基本的な感染対策です。

 具体的には、当院では、治療に使用するすべての器具は、患者さんごとに必ず滅菌処理し、細菌や、種々のウイルスを死滅させた、清潔な状態で使用しています。もちろん新型コロナウイルスもこの滅菌処理によって完全に死滅します。また、患者さんが座る診療台や、うがいをする部分は50ppm中性次亜塩素酸水を使って、清拭を行います。次亜塩素酸水は各種病原細菌やウイルスに対して高い殺菌活性や不活化活性を示します。新型コロナウイルスに対しても有効性を示すと考えられています。当院で使用する次亜塩素酸水は中性であるので、もし患者さんの皮膚等に接触しても、全く害を及ぼしません。さらに、治療中は口腔外バキュームという装置を使用して、エアロゾルの発生を抑制しています。当院はすべての診療台にこの口腔外バキュームを設置しています。安心して治療を受けられてください。